最密充填する

<物理・化学メガジグゾーパズルに取り組み中>

コロナウイルス感染防止のために「ソーシャル・ディスタンス」を取りつつ、同じ広さにいちばんたくさん人を詰め込む方法。結晶の六法最密充填構造を思い出す。


写真の出典:https://www.bbc.com/news/in-pictures-52746584

 

質点を考えよう。同じ大きさの斥力(反発し合う力)をもった点を狭い平面に散りばめると、すべての点が互いに同じ力で周囲のどの点からも離れようとする。その結果、六角形を敷き詰めたハニカム構造の中心にそれぞれの点が自然に落ち着いて、各点が斥力をおよぼす範囲の境界が六角形になる。

では、質点の持つ力が斥力ではなく引力だったとしよう。そうすると、質点同士が引きあってくっついしまい、六角形を考えるには都合がわるい。そこで、ゲルのうえで栄養を奪い合う架空の細菌を考えてみよう。質点に相当するそれぞれの細菌が同じ勢いで栄養を奪い合えば、それぞれの勢力圏の範囲がハニカム構造になったところでゲルの世界が落ち着くだろう。野生動物の縄張りともなると斥力と資源の奪い合いとが複雑だけれども、つきつめると同じかもしれない。現実世界ではないだろうけど、シムアースのようなゲームの世界でなら、最密充填された縄張りをつくれそうだ。

実際の物理現象では、温められた液体が上昇流をつくろうとするときに、上に移動するために周りから分子を引き寄せる。ある条件で液体を下から一様に温めると、ゆらぎで少し先に上昇しはじめた点がどんどん周りを引き込もうとし、周囲にある同じような上昇流の中心点と分子を奪い合うようになる。そうすると、それぞれの上昇流の中心点の引力圏の境界が六角形になる。液面まで上り詰めるとそこで広がり、冷えて、今度は、周囲の上昇流の中心から広がって来た分子とぶつかったところで下に向かいだし、下降流になる。そのようにして、下から一様に温めた液体のなかで六角柱の対流ができる。

上の話は、下から一様に温めた対流の場合だったから、上昇流が六角柱の中心点になった。では、逆に、静かな液体を上から一様に冷やしたらどうだろう? 理屈から考えると、下へ向かおうとする下降流が先にできて、そのときに周りの分子を引き込んで動こうとするため、六角柱の中心は下降流になるのだろう。

 

理想的な条件で液体を下から一様に加熱すると、六角形のパターンが生まれる。

写真の出典:https://psl.noaa.gov/outreach/education/science/convection/RBCells.html
出典元の記事を見ると、ごくわずかな環境条件の乱れでパターンが崩れることがわかる。

参考サイト:
日本物理学会誌 Vol. 69, No. 10, 2014©2014 日本物理学会ゆらぎの定理―非平衡な世界の対称性
https://www.jps.or.jp/books/gakkaishi/2014/10/69-10trends1.pdf

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