AIは翻訳文の表現を推敲するか

ブログの記事などを書こうとして、ある程度長い文章を推敲していると、後の方の表現を考えているうちに、前の方の表現やニュアンスを直したくなります。あれではうまく伝わらないだろうなと思って。翻訳も、後の方を訳しているうちに、前の方の訳を直さないといけないのが分かってきたりします。

翻訳AIは、そうした振り返りをするでしょうか。前から翻訳していき、後の方の翻訳で何かを分析して、すでに翻訳が終わっている部分にフィードバックをかけるでしょうか。それを重層的にできるAIが登場すると、手ごわそうですね。

どうだろう。翻訳中に細かく戻っては前を訂正する流れは、AIには苦手そうです。では、例えば、一通り訳し終えたドラフト1を文章全体として分析し、その結果をフィードバックして、もう一度最初から文章を直してドラフト2を作る。ドラフト2の分析結果をフィードバックしてさらに最初から通してドラフト3を作る。そういうふうに10回くらい繰り返して、最終的に有機的(に見えるよう)な翻訳を仕上げられるかもしれません。

谷川俊太郎の詩――「かなしみ」

 

あの青い空の波の音が聞こえるあたりに
何かとんでもない落し物を
僕はしてきてしまったらしい

 

透明な過去の駅で
遺失物係の前に立ったら
僕は余計に悲しくなつてしまった

この詩をはじめて読んだとき、後半が、AIが創りそうな文章だなという印象を受けました。「透明な」「過去の」「駅で」の部分がとくに。文法的には正しいのですが、ぱらぱらとしていて、あまり関連性の高くない言葉が並んでいるように思えます。

でも、前半を合わせて読むと、やはり何かが違います。人間でないと創れないひとまとまりの文章だと思います。人間頭の私にはそれが何かを説明できないのですが、人間言語ネイティブではないAIが十分なサンプル数を解析すると、その「まとまり」の感じを統計的に説明できるようになるでしょうか。

photon
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